2009年1月21日水曜日

太宰と清張

今年は、太宰治と松本清張の生誕100年だそうである。
この二人が同い年というのは驚きであるが、作風も全く違い、松本清張のデビューが太宰治の死亡後ということであるから、両者につながりが見いだせないというのも宜なるかなというところである。

太宰治の作品は昨年表紙がリニューアルされて書店に山積みになっていたが、昔に何冊か読んだ記憶があるだけで、実はあまりじっくりと読んだことがない。

一方、松本清張は高校生時代に狂ったように読んだ時期があって、「ゼロの焦点」「点と線」「砂の器」などが特にお気に入りで、この三冊は何度も読み返した記憶がある。
ストーリー的には、「偶然」とか「たまたま」という言葉が随所に見られ、「どやねん!」と突っ込みを入れたくなるようなご都合主義的な展開もあったが、社会派と言われるとおり、政治や社会の暗闇を描く筆致は小気味よいものがあった。
また、彼が書く歴史小説もなかなか面白く、ほとんどが短編であるがこれもまた何度も読み返した記憶がある。
先日、清張の全集から短編集を図書館で借りてきたので、また久しぶりに清張ワールドに浸ってみたいと考えている。

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