2009年1月6日火曜日

桂離宮

先日1月4日の夜、テレビで「桂離宮」の特集をやっておりました。
残念ながら私は我が家のチャンネル権を有していないので、DVDに録画したものを先ほどパソコンで見ておりました。

みなさんのご存じの如く、この離宮は徳川家康の反対により天皇に即位することが叶わなかった八条宮が建てた離宮で、極限まで研ぎ澄まされた彼の美意識が、そこここに実現されています。曰く、たった一人の人物に見て貰うために作られた離宮だそうです。

こういった京都に数多く見られる伝統的な建築物や伝統的な工芸品がなぜこれほど洗練され、究極とも言える美をそなえているのかということの答えがここにあります。

京都には、全国から最高峰の工芸技術を学ぶため数多くの職人の卵が集まって来ました。その彼らの腕を磨いたのが、数多いる一流の目利き達であったのです。
如何に意匠を凝らし、斬新なフォルムを組み合わせても、彼らに評価されなければ価値を生み出しません。逆に言えば、その価値を評価できなければ目利きとしては失格ということになります。
そんな職人と目利きの切磋琢磨により、京都の工芸品は最高峰の地位を保っているのです。

ところが、今はどうでしょうか。いつの間にか私たちは、「もの」の価値を図る基準を「金銭的価値」にのみ頼っていなかったでしょうか。言うまでもなく、金銭的価値、貨幣価値というものは、擬製されたもので実体を持っているわけではありません。だれもが一億円というお金には一億円の価値があると思い込んでいるだけです。
現在の世界不況は、その価値が信じられないところから起きています。
こんな時こそ自分自身の目でものの価値を判断する事が重要です。
ものの価値を正しく判断できる、自信を持って価値を主張できる「目」を磨いていこうではありませんか。

かく言う私がそういう目を持っているわけでは決してありません。
私自身も磨いていきたいと思っています。

今の不況を乗り切るヒントの一つはこんな所にも有るような気がするのですが如何でしょうか。

ところで、恥ずかしながら、一度見てみたいと思っているのですが、私自身はこの桂離宮を見たことがありません。今年中にはぜひ見に行きたいと決意いたしました。

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