「未曾有と想定外」という本を読みました。
失敗学の大家である畑村洋太郎氏が東日本大震災後について、福島原発の事故調査委員会の委員長に就任されたことから、それまでに集めた資料を整理して書かれた物です。
地震以降、毎日のように聞かされた「未曾有」あるいは「想定外」という言葉について、冷静に振り返ってみて本当に「未曾有の大惨事」であったのか、「想定外の大事故」であったのかを丁寧に解析していきます。
「天災は忘れた頃にやってくる」というのは明治の文学者「寺田寅彦」の言葉だそうですが、過去の大災害の被害を忘れ、その後のハード対策への過信が今回の大災害の一因ではないかとも書かれています。
死者にむち打つようで、実際にはもっと丁寧な分析が必要かとも思いますが、ほぼ正鵠を得た指摘かと思います。
また「原子力発電所の想定外の大惨事」については、「想定内の出来事」でありながら「見なかったふり」をしてきたことが引き起こしたと一刀両断です。
今後、この事故についてはさらに詳しい調査が進むことと思いますが、私たちが安全にこの技術を使えるようにできるよう、さらなるイノベーションを臨みます。
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