2009年12月19日土曜日

高速無料化

平成22年度政府予算の概要が固まりつつあります。
いくつかの目玉事業(あるいは迷走)があるようですが、以前から気になっている「高速道路無料化」について考えたいと思います。

この事業は、この夏の総選挙での民主党のマニフェストに挙げられていた項目で、前の自民党政権が実施していた「週末1000円」の上をいくものとして期待も高かったものです。
ところが、いざ実施してしまうと、
●週末に車両が集中して、大型連休を中心に各高速道路で大渋滞が起こっている。
●列車の利用者が激減し、あるいは瀬戸内航路を中心にフェリー業界が壊滅的な打撃を受けている。
●自動車の利用が増えたせいでCO2排出量も急増している(のではないか)。
などの問題点が噴出している。

では、一体何が間違っていたのでしょうか。

そこでもう一度、高速自動車道路網がなぜ整備されたのかを考えてみたいと思います。
日本で最初に作られた高速自動車専用道路は、1964年開通の名神高速道路だと言われています。
また世界的には、ナチスの時代のドイツのアウトバーンがその第一号とも言われています。
アウトバーンは軍需輸送が目的とも言われていますが、大戦後はいずれも産業用の高速輸送網の整備を目的に建設されました。日本に於いても同様で、より早くより低コスト物流網を整備することで国土の均衡ある発展を促すために整備されました。

もちろんレジャーの要素も無視できませんが、どちらかというと従たる目的と言わざるを得ません。道路の整備で物流コストが下がることで、一般国民も十分その利益を享受できるというのが、公式ではないでしょうか。

であるならば、昨年の経済不況対策での高速道路1000円化はどうすべきだったのか。そう、土日ではなく平日の利用料を下げるべきだったのです。
そのことによって、物流のコストを下げること、そして平日の休暇取得が進み、現在あるような土日の渋滞が平準化されることが期待できたのではないでしょうか。

来年度、実施される高速道路無料化の社会実験に実施に当たっても、少し考えていただければありがたいなと思う。

ところで、非常に単純な疑問なのですが、高速道路の1000円化あるいは無料化では、巨額の政府予算が計上されています。ところが、本来ならば有料を無料にする(減額する)だけなのに、なぜあれほどの経費が必要なのでしょうか。なんか変だと思いませんか。
この辺は、公表されている国土交通省の予算資料をどれほど一生懸命読んでも分かりません。

誰かご存じの方がいらっしゃればお教えいただきたいのですが。

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