今日の帰りの電車(嵯峨野線)での出来事である。
たまたま乗り込んだ駅で、空席を見つけ、
そこに席を占めると、向かいの席には、
一人の外国人の青年が座っていた。
一生懸命日本のガイドブックを眺めている様からすると、
明らかな旅行者とも思えるが、園部行きの電車であるから、
恐らく、亀岡当たりにすむ外国人留学生。
どこかへ旅行に行った帰り。
などと想像をたくましくしていた。
この路線にあまり慣れていないのか、
駅に着く度、駅名を何度も確認している。
そのうちに目があって、笑いかけてきたので、
笑顔を返してあげると、とても嬉しそうな反応で、
こちらも少し気分良くいつもの通り読書にふけっていた。
そのうち、亀岡駅に着いたので降りようかとすると、
その青年がおそるおそる、尋ねてきた。
曰く「この電車は名古屋へ行くか?」(もちろん英語)
一瞬、この先に名古屋とよく似た名前の駅があったかと
考えたが、彼がおもむろに取り出した切符は新幹線のぞみの指定席券。
どうやら、京都駅の出発時刻が全く同じだったので、乗り間違えたようだ。
慌てて、亀岡駅で一緒に降りて駅員さんに助けを求めようとすると、
向かいのホームにはちょうど京都行き普通列車が停車中。
彼にその列車で京都駅へ戻り、新幹線ホームへ向かうよう案内したところ、
彼はそこからさらに飛騨高山まで行く切符を持っていた。
残念ながら、高山行きはとても間に合わないので、
とりあえず名古屋へ向かうということに落ち着いた。
今度は、その旨を停車中の京都行きの車掌さんに説明し、
何とか助けてほしいとお願いした。
その車掌さん(女性でした)は、快く引き受けてくれて
おまけに京都駅では新幹線ホームまで案内しようと申し出てくれた。
彼にそのことを伝えると、大変感謝して喜んでくれた。
以前にも書いたことがあるが、日本という国は
外国人が旅をするのに非常な困難を伴う国である。
新幹線と嵯峨野線のローカル電車を間違えるなんて!!
と顔を顰めるむきもあろうかと思うが、
そんなことは普通に起こりうると思った方がよい。
これだけの案内で充分と思うのは、事情を知っている
我々の側の発想である。
どんな人にも優しい、過ごしやすい
そんな街にならなければいけない。
わずか5分間ほどの出来事であったが、
いろいろなことを考えるキッカケになる出来事であった。
ところで彼は無事名古屋へ着くことができただろうか。
そして今夜の宿はうまく手配できただろうか。
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