2008年5月25日日曜日

仕事で一皮剥ける

最近、「企業で働く人たちのやりがい」などといった、経営学の中の心理学的な部門を研究されている方の著書を読むことが多い。
そんな中で、特に中間層のマネジメント達が、「一皮むけた!」と感じた瞬間はどんなときか。と言うことを丹念なインタビューから分類した著書を読んだことがある。

そこに現れている端緒となった出来事はいくつかのパターンに分けられている。
特に仕事上では、「重要な仕事を任せられ、やり終えた」「特別なシームに抜擢された」「初めて部下を持った」などというケースが多かったようである。

はてさて、自分はどうであったろうか?と言うのが今日のテーマである。
私が今の組織に入って、24年目になる。そのうちの前半生は、あまり関連性のない分野の仕事を転々としてきたが、後半生はずっと、いわゆる産業政策の部門で仕事をしてきた。
その間、いろいろなことがあったが、今現在の時点で振り返ってみて、転機となった事実を上げるとすると、何といっても海外への赴任と言うことがあげられる。

地方自治体の職員であるので、海外の勤務先というのは基本的にはあり得ないのであるが、かつては府内の中小企業の海外展開を支援するためという名目で、ドイツに駐在員事務所を置いており、その駐在員として派遣されることになったのである。
そのときのことは、追々思い出しながら書いていきたいと思うが、今日はキャリア上の転機となった事実と言うことなので、その関係で筆を進めたい。

とはいえ、ここで転機となった事実というのは、海外赴任をしたと言うことではなくて、実はその際に初めて部下をもつことになって、さらにその部下がドイツ人であったということなのである。

その方はドイツ人とはいえ、私のドイツ語より遙かに上手な日本語を操ってくれたので、日常のコミュニケーションに不自由したということはなかったが、そこはやはり論理的なお国柄ですから、指示をする際には、具体的かつ論理的にその内容を説明する必要があった。
日本のように「とりあえず、これやっといて!!」というようなことは通じないのである。
最初は大変苦労したものであるが、だんだん慣れてくると、そうやって彼女に論理的かつ具体的に説明することによって、自分にとってもその仕事の中身を再吟味することができ、非常に自分に取っての訓練になった。

こちらへ帰ってからも、部下に対して何かの指示をする際には、その時代のことが体に染みついているせいか、できるだけ具体的に論理的に説明しようとしている自分に気がつくことがある。(徐々に忘れかけてきていることもあって、ドキッとすることもありますが、、、)

初めて部下を持ったとき、さらにその部下が外国人であって、それまでの常識が通用しなかったとき。
私のキャリアの中で、最大のエポックメイキングな出来事でした。

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