2011年11月21日月曜日

天災と国防

今、寺田寅彦の『天災と国防』という文庫を読んでいます。

寺田寅彦と言えば「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉が有名ですが、この本の中に収められている12編の随筆の殆どは、そのテーマで書かれていると言っても過言ではありません。

今年の震災後、彼の本がいくつも文庫となって再発売されましたが、この本は震災以前から出版が企画されていたそうで、急遽出版予定を早めて世に出されたとも聞いています。

嬉しいのは、この文庫の解説を畑村洋太郎氏が書いていることです。以前にも書きましたが、畑村氏が書かれた「未曾有と想定外」という本は、私の中では今年のナンバーワン新書ですが、その本の中でも何度も寺田氏の考え方について触れています。

50億年にも及ぶ地球の歴史の中では、未曾有の災害という物はありません。
また、科学者にとって(我々公務員も同様)、想定外という言い訳は許されません。
(ついやってしまいますが、、、)

世代を超え、災害の記憶をしっかりと伝承させていく仕組みを考えていきたいと思います。
また、時代の変化と共にこれまで考えられなかったような被災の形という物も考えなければなりません。

たとえば独居老人、外国籍の住民など、とかく情報が途絶されがちな人達への支援の輪を広げていく方法も行政の大きな課題だと認識しています。

考えるべきことは果てしなく多い。

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