先日から、岩波文庫の「イソップ寓話集」を読んでいる。
ウサギとカメ、アリとキリギリス、北風と太陽などなど、子どもの頃からなじみのあるお話しが満載である。
この本で語られている寓話は非常に短いものから長いものまで様々で、「寓話」の名のとおり寓意に満ちている。
本来「寓意」とは、裏に隠された意味なので表には現れないもの、と思うのですが、本書の場合には物語の前後に「このことは○○○○と言うことを説き明かしている」と書かれているものが多い。
これらの寓話が成立した時期については、明らかになっていないが、これらの話から読みとれる寓意も、その時代を写し出しているものと推察される。
例えば、次のような話についてはどうだろうか。
ザクロとリンゴと茨
ザクロとリンゴが実の立派さを競い合った。
言い争いがいよいよ熾烈になるのを
近くの垣根から茨が聞きつけ口出しするには、
「仲間よ争うのは止めようではないか。」
ここから導き出される寓意とは何か。
この物語は次のように続きます。
このように、数にもあらぬ者までが、
優れた人たちの揉め事に
しゃしゃり出ようとするのである。
この寓意は、現代に通じるのであろうか。
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