2012年8月29日水曜日

こころの原風景

今朝着替えをしながらテレビを見ていたら、ニホンカワウソという動物の目撃例が30年以上途絶えており、環境省が"絶滅種"に指定したというニュースが流れてきました。
昭和時代まで生息が確認されていた動物が"絶滅種"に指定されたのは初めてだそうで、人類が20世紀以降、自然に対していかに高い負荷を与えていたか、改めて認識させるものです。

ニホンカワウソは北海道から九州にかけての広い範囲の清流にすんでいたそうで、毛皮をとるための乱獲と手つかずの清流がどんどん少なくなってきたことが、大きな原因だと推察されます。

古来、日本は水と自然に恵まれた、世界でも希有な地域であって、美しい水、清流の存在は私たちの心に癒しを与える貴重な資源です。我々が子供の頃に育った地域は、典型的な田舎で周りは山と田んぼ、畑ばかりで、裏山を水源とする小さな清流もそこら中に見かけられるところでした。

我が家の裏山にも天然わさびが自生していて、刺身やそうめんを食べるときには、それをとってきて使うのが普通でした。また、その辺の野山には同じく"水蕗"が自生していて、毎年春先には、近所の子供会でその蕗を摘んでは町の八百屋に持って行って現金化し、年間の活動費を稼いでおりました。

今ではそれもどうなっているのか判りませんが、懐かしい思い出です。

私が育ったあの田舎も、まもなく最大規模の河川改修が実施されようとしており、裏山もコンクリートの擁壁が整備されつつあります。我々の身近にあった自然環境も徐々に徐々に失われています。

"こころの原風景"という言葉がありますが、私たち人類にとっての"こころの原風景"は何なのか、もっと大事にしたものです。
長い地球の歴史の中のほんの一瞬を通過するだけの我々が勝手な都合で破壊してはいけないと思うのですが。

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