2008年3月11日火曜日

こんな本を読みました

最近は、できるだけ本を読むようにしています。昔から、趣味は読書(無趣味の代名詞ですが)と言って憚らない私でしたが、最近はとみにその傾向が加速度を増してまいりました。
ただ、どちらかというと、じっくり、場合によっては線を引き、はたまた内容のメモを作ったりと、一冊に時間が掛かる方なので、どれだけ頑張っても月20数冊と言うところです。内容は、多岐にわたっておりますが、最近はもっぱら経営関係のビジネス書が中心です。

そんな中で、先週末に「ローカル線ガールズ」という本を読みました。この本は、福井県のえちぜん鉄道でアテンダントとして働く女性が、その採用から現在までの働きぶりが詳細に書き綴られたものです。
1時間程度で読み終えましたが、かなり感動致しました。

ご承知のとおり、この鉄道は、もともとは京都に本社がある京福電鉄の支線として営業していたものですが、かつて不幸な事故が重なって廃線を余儀なくされました。その後、地元の方々の熱意により、えちぜん鉄道として蘇ったのです。再開後は、地元の方だけでなく観光客の方々にも愛用され、経営状態もかなり改善されてきたようです。

本を読む限りに置いても、回復の要因はいくつかあると思います。

① 徹底したお客様主義

そこで働く人たちすべてが、「お客様にとって、よりよいサービスを」という理念を共有されていることがよく分かります。最初は、マニュアル化された対応が中心であったものが、ときどきのお客様の状況に合わせたサービスへと変化していく過程によく現れていると思います。

② 働く人が楽しんでいる

先ほどのお客様主義にも通じるのですが、彼女たちが、そのサービスの提供を楽しんでいると言うことがよく分かります。決して媚びたり、卑屈になるのではなく、お客様に喜んで頂くことが、彼女らの喜びなんでしょうね。

③ より良くしたい

上の①②はいわゆる「顧客満足」「従業員満足」と言われる部分で、サービス業だけでなく、すべての業種に共通して大事な考え方です。それにもまして、この会社の素晴らしいのは、それをさらに高めていくためのシステムを自分たちで作っているというといところです。すべてを明かすと原作者に失礼なので遠慮しますが、この仕組みが自然発生的に生まれてきたというのがミソで、向上のサイクルが上手く回っているなと言うのがよく分かります。我が職場もあやかりたいものです。


京福電鉄は、元々は京都府内と福井県内に鉄道路線を持つ電鉄会社でしたが、今では福井県内にはバス路線が残るのみです。京都でも、古くは「嵐電」、「叡電」という略称で親しまれていましたが、今では叡電も別会社になってしまいました。

地方に残るローカル線は、その地域の住民にとって無くてはならないものです。何とか頑張って守っていきたいものです。

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