2010年6月2日水曜日

参謀不在

今日、ついに鳩山首相が辞意を表明した。普天間問題の混乱の責任を取るためらしい。同時に次回の総選挙には出馬しないことも表明した。

巷間いろいろと言われているが、私自身も民主党政権に大きな期待をしていただけにとても残念な結果である。とはいえ、衆議院で多数を占める民主党の党首がそのまま首相に指名されるという構図は変わらないので、次の党首、首相には是非とも昨年熱狂した国民の期待を裏切らないでもらいたいものである。

そういえば、この9ヶ月間を振り返ってみても、鳩山さんが残した功績はそれほど思いつかないということに気がついた。

例えばこの間、政府の情報公開は別次元へ移ったかのように進んだ。我々が入手できる情報の量は、昨年に比べ、桁違いの量で増えている。
また、評価はいろいろある「事業仕分け」。税金の使われ方に国民の関心が向けられるようになった。
あるいは、沖縄の基地問題。沖縄県民以外のすべての国民が避けていた問題を白日の下に曝した。

と、これらはすべて民主党政権の成果なのである。鳩山首相がリーダーシップを発揮したものはほとんど無い。

しかしながら、かつての単純構造の世界とは違い、高度に複雑化した社会の中では、一人の強力なリーダーがリードしていくという構図は成立しにくい。
従って、どんな組織であっても強力なリーダーシップを発揮するためには、そのリーダーを支える参謀の存在が重要になってくる。

そういう意味では、今回の鳩山首相の迷走ぶりは首相を支えるべき参謀が居なかったと言うことができるのではないか。大きな期待をしていただけに、本当に残念である。

0 件のコメント: