2014年11月16日日曜日

解散風

ここへ来て、突然のように“衆議院の解散総選挙”が大きな話題となってきている。
このブログでは、政治向きの話はあまり書かないのですが、今日は珍しくこの話題について書いてみたいと思います。

まず、今回の解散総選挙の目的は何なのか。
巷間、目的不明、争点不在などと言われていますが、私は今回の選挙は、とりあえず与党が勝つこと。そしてそのことでいくつかのことをに対する“免罪符”を得ることが大きな目的なのではないかと考えています。

今回、もし本当に選挙になれば、野党側の準備は全く整っておらず、結果的に与党が勝利することが確実視されます。
そしてそのことで、少なくとも次の3つの点について、首相は大きなポイントを得ることができるのです。

まず1つめは、第3次安倍内閣の発足です。
一昨年末の総選挙での勝利により、第2次安倍内閣が発足したわけですが、この秋に実施した内閣改造では、大きなミソをつけ、とても来年の通常国会を乗り切れる陣容ではないことがはっきりしました。とはいえ、問題のある閣僚をこれ以上更迭するわけにはいきませんから、解散に伴う内閣総辞職で、新たな内閣を発足させることができます。
また、ついでに公職選挙法違反の疑いのある元閣僚の面々も選挙での“みそぎ”を受けることで、大手を振って復権できるというおまけもついてきます。

そして2つめは、集団的自衛権への解釈変更です。
現安倍内閣の最大の事績というのが、この解釈変更だと私は考えています。以前にも書いたかもしれませんが、私自身は“禁じ手”だと思っていますし、こう言うやり方が定着することは好ましくないと考えています。
しかし、次の選挙を経ることで、この解釈にも正統性が生まれてきます。

最後の3つめは原子力発電所の再稼働です。
皆さん覚えておられるでしょうか。今年の春の東京都知事選挙で、原発再稼働を争点として元首相が立候補した際に、それは国政の問題であって、地方選挙の争点としては不適であるというのが、当時の与党の考えでした。そして、その後再稼働へと大きく進んでいる状況はご存じのとおりです。

次の選挙で与党が勝利することで、これら全てに正統性を得ることができるのです。
これらが、選挙の大きな争点として浮上してくるかどうかは定かではありませんが、非常に注目すべきところではないでしょうか。

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