2008年9月21日日曜日

総選挙に望む

2008年9月も今日で21日となり、今年もあと3ヶ月、役所的に言うと今年度も間もなく折り返しである。毎年この時期は、新たに起こした事業の本格的な始動の時期に当たったり、或いはイベントの重なり合う時期、はたまた早くも次年度にむけて予算編成作業が始まったりと、最も忙しい時期を迎える季節でもある。

その9月に入ってからの来し方を思い返してみると、いつになく大きな出来事が頻発しているようである。

まずは何と言っても、福田首相の突然の辞任とそれに伴う、5名の候補者による自民党総裁選挙。
今回は、自民党史上初めての女性候補者が現れるなど、同時の行われる予定であった民主党の党首選挙を見事に吹き飛ばすほどの賑わいである。

ところが、世情の注目を一身に集めて一気に衆議院解散総選挙と考えていたところに思わぬ逆風となったのが、アメリカのリーマンブラザースの経営破綻に端を発した金融不安とまたもや農林水産省がしでかした汚染米・事故米を巡る大スキャンダルである。

今のところ、金融不安に対しては国際的にドルを支えていこうとする協調体制が敷かれたことから、一応の小康状態を保っている。一方で、だぶついていた投機マネーを集めて、天井知らずの上昇を続けていた原油価格がどうやら頭を打ち、一気に正常価格まで値を戻している。この投機マネーが次をどこを狙うのかということも予断を許さないところである。

農林水産省の事故米スキャンダルについては、同じ公務員として、唖然とするばかりである。「安全」特に「食の安全」というのは、近代国家にとっては最低限保証されなければいけないものであるはずであるのに、そのことに対する責任感が欠如しているとしか考えられない。先日来の大臣や事務次官の発言を聞いていると、「食の安全」を守るプロとしての認識はかけらも感じられない。

「安全である」ことと「安心できる」と言うことは全く違う。どんなことでも100%安全と言うことはあり得ない。しかしながら、その危機が発生したときに、いかに拡大を阻止し、再発を防ぐかというプロセスが明確に描かれておれば、私たちは不安を抱えることなく安心して明日を迎えることができるのである。

ところが現実は、そのプロセスが全く明らかにされておらず、また事実関係もひた隠しにされ、我々の不安は増すばかりである。
現代のような不安な時代には、いかにこのプロセスを提示できるかと言うことが政治の大きな仕事だと思う。
どうやら、10月に入ると早速総選挙が始まるようである。是非そのプロセスを論じてほしい。

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